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取引先との忘年会マナー — 招く側の段取りと招かれた側の寸志・お礼メール例文(秘書10年)
取引先との忘年会を、招く側(幹事)と招かれた側の両方から整理。打診の時期と店選び、1人1万円を目安にした経費の考え方、招待状・出欠返信の例文、寸志の目安、当日の挨拶、翌日のお礼メール例文まで。外資系役員秘書10年の手配経験から、年末の取引先対応で失礼にならない段取りをまとめました。
取引先との忘年会は、招く側か招かれる側かで、準備することがまったく違います。招く側は日程・店・予算・案内状を、招かれる側は出欠の返信・寸志・お礼を押さえれば、失礼になることはまずありません。
外資系企業で役員秘書を10年務め、年末は毎年、取引先を招く会の手配と、取引先から届く招待の返信を同時に回していました。この記事では、その手配の順番どおりに、立場別の段取りと、そのまま使える文例をまとめます。
年末の取引先との会は、1年の御礼を伝える場。段取りの丁寧さが、そのまま感謝の伝わり方になる。
立場別に押さえること(早見表)
| 立場 | いつまでに | やること |
|---|---|---|
| 招く側(幹事) | 11月上旬〜中旬 | 日程の打診・店の仮押さえ・予算の決裁 |
| 招く側(幹事) | 開催の3〜4週間前 | 正式な案内状を送る・出欠の取りまとめ |
| 招かれた側 | 案内の期限より前 | 出欠の返信(欠席なら理由は簡潔に) |
| 招かれた側 | 当日 | 寸志の要否を確認・主催者への挨拶 |
| 両方 | 翌日の午前中 | お礼メール |
取引先との忘年会とは?
ここでいう取引先との忘年会は、大きく3つの形があります。
- 自社主催で取引先を招く会(いちばん準備が多い)
- 取引先主催の会に招かれる(返信・寸志・お礼が中心)
- 複数社の合同の会(幹事会社の進め方に合わせる)
社内の忘年会と違うのは、会そのものが1年の取引への御礼であることです。盛り上げるよりも、相手の時間をいただくことへの配慮が優先されます。
招く側の段取り
日程の打診は11月上旬〜中旬
12月は相手も社内外の会が重なります。候補日を2〜3案、平日も含めて出し、先方の上位者の予定から決めるのが基本です。12月の金曜夜は店も埋まりやすいため、日程の打診と同時に店の仮押さえをしておくと、後から慌てずに済みます。
店選びは「個室」と「移動のしやすさ」
取引先を招く会では、会話が周りに聞こえない個室か、店の貸切が安心です。人数が多い場合は立食形式の懇親会にする方法もあります。
- 着席で10名前後まで → 個室のあるレストラン・料亭(接待向けの個室の選び方)
- 20名を超える → ホテルや会場の立食形式(立食パーティーのマナー)
- 年末は終電を気にする方が多いため、駅から近く、22時前後に終えられる店を選ぶ
着席の会は、個室の円卓が会話をつなぎやすい。上座・下座の配置は事前に決めておく。
予算と経費の考え方
取引先との飲食は交際費にあたります。2024年4月1日以後に支出する飲食費は、1人あたり1万円以下であれば、一定の書類を保存することを条件に交際費から除くことができます(国税庁 タックスアンサーNo.5265 交際費等の損金不算入)。
そのため、1人1万円を一つの目安にコースを組む会社が多くあります。日付・参加者の氏名と所属・人数・金額・店名を記録として残すことが前提です。詳しい区分は接待の経費の上限と損金算入の考え方にまとめています。
招待状の文例
件名:年末のご挨拶を兼ねた懇親の会のご案内
○○株式会社
○○部長 ○○様
いつも大変お世話になっております。
本年も格別のご高配を賜り、誠にありがとうございました。
つきましては、日頃の御礼を兼ねまして、
ささやかながら下記のとおり懇親の席を設けさせていただきます。
ご多用の折とは存じますが、ご出席いただけましたら幸いです。
日時:12月○日(○)19:00〜21:30
場所:○○(住所・最寄り駅)
ご出欠:○月○日までにご返信いただけますと幸いです
○○株式会社 ○○部 ○○
社外向けの案内では「忘年会」と書かず、**「年末のご挨拶を兼ねた懇親の会」**と表現するのが一般的です。会の呼び方の選び方は接待・会食・飲み会の言い換えでも触れています。
当日の幹事の動き
当日の流れ(受付・席への案内・乾杯の依頼・会計・お見送り)は、通常の接待の幹事と同じです。時系列の動きと予約時の確認項目は接待の幹事の段取りを、席の配置は接待の席次を確認してください。忘年会で加わるのは、開会と締めの挨拶を誰に頼むかを事前に決めておくことです。
招かれた側のマナー
出欠の返信
案内の期限より前に返信します。出席でも欠席でも、まず招待への感謝から書きます。
出席の返信
年末のお忙しい中、ご丁寧なご案内をいただき
誠にありがとうございます。
喜んで出席させていただきます。
当日お目にかかれますことを楽しみにしております。
欠席の返信
ご丁寧なご案内をいただき、誠にありがとうございます。
あいにく当日は先約があり、出席がかないません。
せっかくお招きいただきながら申し訳ございません。
皆さまのご盛会をお祈り申し上げます。
上位者が欠席して代理を立てる場合は、「当日は○○が代わりに伺ってもよろしいでしょうか」と一言添えると、先方が人数と席を調整しやすくなります。
寸志の目安
会費制なら指定の会費を払えば足ります。会費の記載がない招待では、居酒屋クラスなら5,000円前後、ホテルや料亭なら1万円前後を「御祝」「寸志」として包むのが一般的な目安です。
ただし、受け取らない方針の会社も少なくありません。受付で辞退されたら無理に渡さず、お礼の言葉だけにとどめます。品物を持参する場合は、接待の手土産の選び方と同じく、持ち帰りやすく日持ちするものを選びます。
当日の振る舞い
到着したら、まず主催者側の責任者に挨拶します。「本年も大変お世話になりました。本日はお招きいただきありがとうございます」の一言で十分です。会の途中で業務の話を深めすぎず、締めの挨拶の前には席を立たないのが年末の会の礼儀です。
当日の挨拶の文例(招く側)
開会の挨拶
本日は年末のお忙しい中、お集まりいただき誠にありがとうございます。
本年も皆さまには大変お世話になりました。
短い時間ではございますが、どうぞごゆっくりお過ごしください。
締めの挨拶
本日はありがとうございました。
来年も変わらぬお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。
皆さま、どうぞ良いお年をお迎えください。
挨拶は1分以内に収めます。年末の会では、乾杯までが長いことが最も嫌がられます。
翌日のお礼メール
招いた側・招かれた側とも、翌日の午前中に送ります。
年末のお礼は「来年もよろしく」で締める。1年の区切りとしての一文が、通常のお礼メールとの違い。
招いた側から参加者へ
昨晩は年末のお忙しい中、お越しいただき誠にありがとうございました。
○○様と一年を振り返るお話ができ、私どもにとっても大変ありがたい時間でした。
来年も変わらぬお付き合いのほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
招かれた側から主催者へ
昨晩はお招きいただき、誠にありがとうございました。
本年のお取り引きへの御礼を直接お伝えでき、うれしく存じます。
来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
件名・本文の組み立てや、相手の役職別の書き分けは接待のお礼メールにまとめています。
よくある失敗
- 案内が12月に入ってから: 相手の予定が埋まっていて、上位者が出られない
- 社外向けの案内に「忘年会」とそのまま書く: 社内行事のように見え、招かれる側が出席を判断しにくい
- 寸志を受付で押し付ける: 辞退されたら引くのが礼儀
- 締めの前に退席する: どうしても先に出る場合は、開会前に主催者へ伝えておく
- お礼メールを週明けに回す: 年末は相手もすぐ休暇に入るため、翌日中に送る
年末の会は「1年分の御礼」の場
秘書として年末の手配を重ねて分かったのは、取引先との忘年会で評価されるのは店の格ではなく、案内の早さと、当日と翌日の一言の丁寧さだということです。招く側なら11月中に打診を済ませ、招かれた側なら期限前に返信し、どちらの立場でも翌日のお礼で1年を締めくくる。この3つが揃えば、年末の会はそのまま来年の関係の土台になります。
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- 接待のお礼メール — 翌日のお礼の組み立て
- 接待の手土産 — 寸志の代わりに品物を持参する場合
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